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運行管理補助者と運行管理者の違い、点呼は3分の2まで任せて記録で守る

中山 蒼11分で読めます
運行管理補助者と運行管理者の違い、点呼は3分の2まで任せて記録で守る
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この記事の要約

運行管理補助者と運行管理者の違いは判断権で、補助者に任せられる点呼は月の総回数の3分の2まで、3分の1以上は運行管理者本人が行います。要件は基礎講習(3日間・8,900円)修了か資格者証で、一般貨物は届出不要です。20台の営業所の配分試算、2026年の一元化の動き、選任前チェック8項目を解説します。2026年9月更新

運行管理補助者と運行管理者の違いは、点呼や運行指示を自分の判断で行えるかどうかです。結論は、補助者に任せられる点呼は月の総回数の3分の2までで、残りの3分の1以上は運行管理者本人が行う必要があります。

根拠は国土交通省の通達「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」です。この記事では、20台の営業所で月968回の点呼をどう配分するかを試算し、補助者を選任する前に確認する8項目のチェックリストを用意しました。

この記事でわかること

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運行管理補助者とは?要件は基礎講習3日と運行管理規程の1行

運行管理補助者とは、運行管理者の指揮のもとで点呼の一部や運行指示の伝達を担う人のことです。要件は、国土交通大臣が認定する運行管理者等基礎講習(3日間・約16時間)を修了しているか、運行管理者資格者証を持っていることのどちらかです。

独立行政法人自動車事故対策機構(ナスバ)の2026年度の案内では、基礎講習は3日間・約16時間で、受講料は8,900円(テキスト代込み)です(出典: ナスバ 基礎講習)。運行管理者試験の受験資格である実務経験1年の代わりにもなる講習なので、補助者の育成と資格者の確保を同時に進められます。

2026年9月時点で、一般貨物自動車運送事業では補助者の選任届出は不要です。代わりに、営業所ごとに定める運行管理規程へ補助者の職務と権限を書き込む義務があります(出典: 関東貸切バス適正化センター)。貸切バス事業は運輸支局への届出が要る点が違います。

合同会社GYAKUTENは運送会社の車両・勤務・出庫時間の記録をシステム化する立場から、補助者の配分を月の総回数から逆算する手順を「点呼3分の1逆算法」として整理しました。名前は仰々しいのですが、やることは数えて、割って、残すの3つだけです。

  • 要件: 基礎講習の修了者または運行管理者資格者証の保持者
  • 届出: 一般貨物は不要、貸切バスは運輸支局へ届出
  • 規程: 運行管理規程に補助者の職務と権限を明記
  • 人数: 選任は任意で、法令上の人数の定めなし

項目

運行管理者

運行管理補助者

選任義務

車両29台まで1人以上が必須

任意

要件

運行管理者資格者証

基礎講習修了または資格者証

点呼

総回数の3分の1以上を自ら実施

総回数の3分の2まで

運転者への指示

自分の判断で指示できる

運行管理者の指示を伝達するのみ

異常時の対応

乗務可否を判断する

運行管理者に連絡して指示を仰ぐ

運行指示書

作成できる

単独では作成できない

補助者の点呼回数は月に何回まで任せられる?

答えは、月の総点呼回数の3分の2までです。国土交通省の通達では、補助者に点呼の一部を行わせる場合でも、営業所の運行管理者が行う点呼は総回数の少なくとも3分の1以上と定められています。

この基準は「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」(国自総第510号、平成15年制定)の第18条関係に書かれています(出典: 国土交通省 通達PDF)。3分の1は1か月の総点呼回数で数えるのが実務上の扱いで、1日ごとに守る必要はありません。

点呼3分の1逆算法の計算例を示します。ドライバー22人が月22日出庫する営業所なら、22人×22日×2回=968回が月の総点呼回数です。968回÷3=322.7回なので、運行管理者が自分で行う点呼は最低323回、補助者に任せられるのは最大645回になります。

  1. 数える: 出庫ドライバーの延べ人数×2回で総回数を出す
  2. 逆算する: 総回数÷3を切り上げ、運行管理者の最低回数にする
  3. 配分する: 残りを補助者へ割り当て、時間帯で分ける
  4. 残す: 点呼記録簿の執行者欄で毎月の比率を確認する
運行管理補助者に任せられる点呼回数を逆算する点呼3分の1逆算法の図解(20台の営業所の例)

1日あたりに直すと、配分の目安はもっと具体的です。運行管理者が朝か夜のどちらか一方の点呼を毎日担当すれば、22人×1回×22日=484回となり、3分の1の323回を余裕で超えます。深夜や早朝の点呼を補助者に寄せる配分は、この計算のうえで初めて成り立ちます。

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補助者を増やすより先に、運行管理者と補助者の点呼回数を数える理由

理由は、補助者を何人選任しても運行管理者が担う3分の1以上の点呼は減らず、異常があれば結局は運行管理者に連絡が入るからです。検索上位の解説記事7件の多くが「補助者を選任すれば運行管理者の負担を軽減できる」と書いていますが、減るのは回数の一部だけです。

負担の正体は回数ではなく時間帯です。国土交通省は2025年4月に業務前自動点呼を制度化し、要件を満たせば宿泊先や待合所からの点呼も認めています(出典: 五十鈴株式会社 業務前自動点呼の解説)。深夜・早朝の点呼を人が担い続ける前提で補助者を増やすより、誰がいつ何回行っているかを先に数えたほうが、削れる時間帯が見えてきます。

補助者にできないことも負担を残します。運転者への指示や運行指示書の単独作成はできず、アルコール検知や体調不良の申告があれば運行管理者に連絡して指示を受ける決まりです。深夜に補助者から電話がかかってくる構造は、人数を増やしても変わりません。

点呼・運行管理の義務の全体像は点呼・運行管理の義務と非対面化の全体像にまとめています。こうした制度変更は年に数回あるため、運送業向けの最新コラムはメルマガ登録(無料)でも受け取れます。

運行管理者は何人必要で、2026年の一元化と自動点呼で何が変わるか

答えは、営業所の事業用自動車が29台までなら運行管理者1人、以後30台ごとに1人の追加です。計算式は「車両数÷30+1(小数点以下切り捨て)」で、2026年9月時点でもこの基準が続いています(出典: 運行管理者の必要選任数 早見表)。

国土交通省の運行管理高度化ワーキンググループは、複数営業所の運行管理を一元化する際に選任数を合理化する制度を検討しており、2026年内の制度化を目標にしています(出典: LOGISTICS TODAY 2026年8月20日国土交通省 報道発表)。一元化すると必要な運行管理者がかえって増える矛盾を解消する方向です。

東海電子株式会社は2026年9月4日に、宿泊先・待合所でも使える自動点呼機器で国土交通省の機器認証を取得したと発表しました(出典: 東海電子 プレスリリース)。機器側の選択肢が増えるほど、補助者の人数ではなく点呼の配分表が経営判断の材料になります。

資格者の確保も簡単ではありません。令和7年度第1回の運行管理者試験(貨物)は受験者25,318人に対して合格者9,428人、合格率37.2%でした(出典: WINGジャパン 合格発表資格・検定の森)。3人に1人しか受からない試験ですから、基礎講習だけで選任できる補助者は現実的な受け皿といえます。

  • 29台まで: 運行管理者1人(補助者は任意)
  • 30〜59台: 運行管理者2人
  • 60〜89台: 運行管理者3人
  • 一元化: 2026年内の制度化が国交省の目標
  • 自動点呼: 業務前は2025年4月に制度化、宿泊先も対象

補助者の点呼を記録で守る、執行者と異常時連絡の残し方

結論は、点呼記録簿の執行者欄に補助者と運行管理者の名前を毎回残し、月末に運行管理者の比率が3分の1以上かを確認することです。監査で見られるのは点呼をしたかどうかだけでなく、誰が行ったかの記録です。

合同会社GYAKUTENが2026年9月14日に「運行管理補助者」のGoogleサジェスト15行を集計した結果、講習・資格・選任・届出・要件に関する語が9行、点呼に関する語は2行でした。多くの営業所が「なる方法」で調べ終わり、「任せた後の記録」まで手が回っていない実態がうかがえます。

執行者を残す最短の方法は、点呼記録簿に「執行者名」「補助者か運行管理者かの別」「異常時の連絡先と時刻」の3列を足すことです。点呼記録簿の記入例と保存期間で紹介した10点の記載事項に、この3列を加えれば監査対応は足ります。

異常時の流れも先に決めておきます。補助者がアルコールを検知した、体調不良を申告された、という場面では、補助者は乗務可否を判断しません。運行管理者に連絡して指示を受け、その時刻と指示内容を記録に残す流れです。

選任前に確認する8項目をチェックリストにしました。コピーして運行管理規程の見直しに使ってください。

□ 基礎講習の修了証(3日間・約16時間)または運行管理者資格者証を確認した

□ 運行管理規程に補助者の職務・権限・連絡先を1行以上追記した

□ 月の総点呼回数を「出庫延べ人数×2回」で数えた(例: 968回)

□ 運行管理者の最低回数を「総回数÷3の切り上げ」で決めた(例: 323回)

□ 補助者の担当時間帯を決め、上限645回を超えない配分表を作った

□ 点呼記録簿に執行者名・補助者の別・異常時の連絡時刻の3列を追加した

□ 貸切バス事業なら運輸支局への選任届出を提出した

□ 月末に運行管理者の比率が3分の1以上かを確認する担当を1人決めた

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すぐ実践できる手順

  1. 先月の点呼記録簿を開き、運行管理者が執行した回数と総回数を数える
  2. 総回数÷3を切り上げた数を、運行管理者の最低回数として決める
  3. 補助者候補の基礎講習修了証か資格者証を確認し、運行管理規程に職務を追記する
  4. 点呼記録簿に執行者名・補助者の別・異常時連絡の3列を追加する
  5. 月末に運行管理者の比率を確認する担当を1人決め、翌月の配分表を作る

自社の点呼運用を次の3項目で確認してみてください。

  • 点呼記録簿に執行者の欄がなく、補助者と運行管理者の別が分からない
  • 月の総点呼回数と運行管理者の実施回数を数えたことがない
  • 休暇・勤務・出庫時間が別々の紙やエクセルで管理されている

次のどれか1つでも該当すれば、記録の仕組みを先に整えるほうが補助者の配分表は回り始めます。入口は資料請求(無料)です。

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まとめ

運行管理補助者は基礎講習3日で選任でき、一般貨物なら届出も不要です。ただし任せられる点呼は月の総回数の3分の2までで、指示や判断は運行管理者に残ります。補助者を増やす前に、総回数を数えて3分の1を逆算し、執行者を記録に残す順番が監査にも現場にも効きます。

まず今日は、先月の点呼記録簿を開いて、運行管理者が自分で執行した点呼の回数を数えるところから始めてください。

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合同会社GYAKUTENは2026年9月14日に、Googleサジェスト388行・検索上位7件の構成・Semrush実測(運行管理補助者ほか20語の検索ボリューム)を調査し、本文の一次データとして使いました。制度の数値は国土交通省・ナスバの公開資料で確認しています。

参考文献・出典

執筆: 合同会社GYAKUTEN 編集部/監修: 代表社員 中山蒼(プロフィール)|中小企業の逆転を支援

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この記事を書いた人

中山 蒼
この記事を書いた人
中山 蒼(合同会社GYAKUTEN 代表社員)

中小企業のWeb制作・業務システム開発・AI検索対策(LLMO)を、診断から実装・運用まで一貫して手がけています。 運送業向けの統合管理システムでは、現場の運用に入り込んで設計するところから携わりました。

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