配車表をエクセルに移したいのに、実際の配車はベテランの頭の中とホワイトボードで回っている。車両15台前後の運送会社から、2026年もそうした相談が続いています。結論から言うと、配車表はエクセルの「6列+1色」の型で作れば、属人化させずに毎日回せます。この記事では、コピペで使える6列テンプレートと、書く人・締め時刻・色を決める運用3ルール、そしてエクセルを卒業する判断基準までを、車両43台の運送会社の実例数値つきで紹介します。
この記事でわかること
- 配車表をエクセルで作るときの基本形「6列+1色配車表」の列設計
- そのまま貼り付けて使える配車表テンプレート(無料・登録不要)
- 属人化を防ぐ運用3ルール(書く人・前日15時締め・変更1色)
- エクセル配車表の限界サインと、システムへ切り替える判断基準の数値
配車表はエクセルでどう作ればいい?答えは「6列+1色」
配車表は、便・ドライバー・車両・行き先・時間・可否メモの6列を横に並べ、確定後に変えたセルだけ1色で塗る「6列+1色」の形が基本です。この型なら、担当者以外が見ても運行の全体を1枚で把握できます。
配車表とは、どの車両とドライバーが、いつ・どこへ・何を運ぶかを1枚で示す運行の割り当て表である。多くの無料テンプレートもこの並びが土台ですが、実務で効くのは6列目の「可否メモ」。休暇・点検・拘束時間と突き合わせた結果を書く列です。
なぜ突合の列が要るのでしょうか。2024年4月適用の改善基準告示で、国土交通省はトラック運転者の拘束時間を1日原則13時間以内(最大15時間)、1年3,300時間以内、1か月284時間以内と定めました。拘束14時間超は週2回以内が目安、勤務間の休息は11時間以上が基本(下限9時間)です(出典: 国土交通省近畿運輸局「トラック運転者の改善基準告示 解説資料」)。休暇や点検だけでなく拘束時間の上限も、配車を組む段階で確認しないと後から差し替えが発生します。
紙やホワイトボードが悪いわけではありません。ただ、突合した「結果」を残せる場所がないため、判断の根拠がベテランの記憶に残り続けます。それが属人化の正体です。
コピペで使える配車表テンプレート「6列1色配車表」(エクセル用)
下のテンプレートを、エクセルの1行目にそのまま貼り付けてください。1行が1便です。列を増やしたくなっても、まずはこの6列だけで2週間運用するのがおすすめです。
■6列1色配車表(1行=1便。A〜F列にそのまま貼り付け)
A列 便: 【日付】-【便番号】(例: 8/1-第2便)
B列 ドライバー: 【氏名】 ※休暇表と突き合わせてから記入
C列 車両: 【車両番号】 ※点検・車検の予定と突き合わせてから記入
D列 行き先: 【荷主名】/【積地→降地】
E列 時間: 出庫【時:分】→帰庫【時:分】(拘束時間もここで計算して記入)
F列 可否メモ: 休暇◯/点検◯/拘束13時間以内◯ ※1つでも×なら組み直し
色ルール: 前日15時の確定後に変えたセルだけ薄い1色で塗る(翌朝の共有は塗ったセルだけ話す)
効果は転記の削減だけでも試算できます。ホワイトボードからエクセルや日報への転記が1便2分×1日25便=50分。6列テンプレートに直接入力すれば、この50分がそのまま消えます。月22稼働日なら1,100分、約18.3時間分の事務時間です。
E列で拘束時間まで書かせる理由は前章のとおりです。F列の「◯/×」は記号だけで済むので、記入の負担はほぼ増えません。増えるのは記録、減るのは口頭確認。
属人化を防ぐ運用3ルール|書く人・締め時刻・色を決める
列の設計と同じくらい大事なのが、更新の決めごとです。ルールは3つだけに絞ります。
- 書く人ルール: 配車表を編集できるのは配車担当1人だけ。ほかの人は閲覧のみ(共有フォルダやスマホの閲覧は自由)
- 締め時刻ルール: 前日15時に翌日分を確定する。15時以降の依頼は「翌朝判断の枠」に分けて受ける
- 1色ルール: 確定後に変えたセルだけ色を塗る。翌朝は塗ったセルだけ説明する
締め時刻を決めると何が変わるのでしょうか。変更の連絡が「随時の電話」から「1日1回の確認」に変わります。合同会社GYAKUTENが開発した運送統合管理システムの監修元である東翔運輸株式会社(車両43台・ドライバー53人)では、休暇と勤務の情報を1か所に集めて突合をやめない仕組みにした結果、休暇調整の電話が約8割減りました。電話が減った分だけ、配車担当は翌日の組み立てに集中できます。
ルールを4つ以上に増やすと、今度はルール自体が守られなくなります。まず3つ。定着してから足すかどうかを判断してください。
テンプレートを配るだけでは属人化は消えない?
検索上位の多くは「無料テンプレートを使えば手軽に作れる」と紹介しています。それ自体は正しいのですが、テンプレートはあくまで器です。休暇表・点検予定・拘束時間の記録がバラバラの場所にあるままなら、突合できるのは全部を覚えているベテランだけ。器を替えても、頭の中への依存は残ります。
属人化を放置するリスクは、2026年7月時点の統計にはっきり出ています。帝国データバンクの調査では、2026年上半期の人手不足倒産は227件と3年連続で過去最多を更新し、うち運輸・通信業は38件で建設業(65件)・サービス業(59件)に次ぐ多さでした。前年同期の202件から12.4%増で、従業員10人未満の企業が176件と全体の77.5%を占めます(出典: 帝国データバンク「倒産集計 2026年上半期報」)。また労働政策研究・研修機構(JILPT)の紹介する調査では、改善基準告示の改正で運送事業者の3割弱が「ダイヤが厳しくなる」と回答しています(出典: JILPT ビジネス・レーバー・トレンド2024年3月号)。余裕が減った運行計画を1人の記憶で支える体制は、その1人が抜けた瞬間に事業リスクへ直結します。
だからこそ、テンプレートの見た目より先に「突合の結果を列に残す」設計と、前章の運用3ルールを決めることが重要です。人が抜ける前提の備えについては、ドライバー不足の対策は『辞めさせない』が先|中小運送の実行順もあわせてご覧ください。
エクセル配車表の限界サインと、システムへ切り替える判断基準
6列1色配車表は、車両20台前後までなら十分に実用的です。ただし次の3つのうち2つに当てはまったら、エクセルの守備範囲を超えています。
- 車両が20台を超えた、または1日の便数が30便を超え、配車の作成と修正に毎日1時間以上かかっている
- 休暇・点検との突合漏れ(休みの人を組んだ、点検日の車を出した)が月1回以上起きている
- 配車担当が休むと、その日の変更対応が止まる
管理方法 | 初期費用の目安 | 離れた場所での共有 | 休暇・点検との突合 | 変更の履歴 |
|---|---|---|---|---|
紙・ホワイトボード | 0円 | できない | 手作業(記憶頼み) | 残らない |
エクセル(6列1色配車表) | 0円 | ファイル共有で可能 | 手作業(F列に記録) | 色で残る |
統合管理システム | 0円〜 | スマホで即時共有 | 自動で突合・通知 | 自動で残る |
切り替えた場合の効果は実例があります。東翔運輸株式会社では、車両・ドライバー・休暇・出庫時間の管理をGYAKUTEN運送統合管理システムに一元化し、管理業務が約50%削減、点検漏れはゼロになりました(詳細: 東翔運輸株式会社様 統合管理システム開発事例)。同システムは車両・ドライバー・休暇/勤務・出庫時間・通知・稼働の6機能を一元管理し、初期費用0円・月額3万円(20台まで。21〜40台は3.5万円、41台以上は4万円・税込)から、最短3日で導入できます。研修は30分、60代の管理者でも即日使えた設計です。
大事なのは順番です。エクセルで6列と3ルールを回してみて、限界サインが2つ出たら移行を検討する。この順番なら、システム選びの目も確かになります。
すぐ実践できる手順
- 今日の配車をホワイトボードや手帳から6列テンプレートに書き写す(初回30分が目安)
- 休暇表・点検予定表のファイルを1つの共有フォルダに集め、置き場所を全員に知らせる
- F列の可否メモを埋め、×が付いた便だけ組み直す
- 「前日15時締め」と「1色ルール」を朝礼とドライバーのグループ連絡で周知する
- 2週間運用し、突合漏れの件数と色付きセルの数を数えて、限界サインを判定する
移行を迷ったら、まず自社の現状を3つだけ確認してみてください。
- 配車表の編集者を1人に決められているか(決められないなら権限管理が必要なサイン)
- 休暇・点検の情報が配車担当の手元1か所に集まっているか
- 配車担当が3日休んでも、翌日の配車が組める状態か
2つ以上が「いいえ」なら、仕組みで解決する段階です。GYAKUTEN運送統合管理システムは初期費用0円・月額3万円〜(税込・車両とドライバーの登録数は無制限)で、休暇・点検・出庫時間の突合を自動化できます。導入前の相談はお問い合わせから、機能と料金の詳しい資料は資料請求(無料)からどうぞ。現状のエクセル運用を続けるべきかどうかの相談だけでも歓迎です。
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まとめ
配車表はエクセルの「6列+1色」で作れば、今日から属人化を減らせます。便・ドライバー・車両・行き先・時間・可否メモの6列。書く人・前日15時締め・変更1色の3ルール。この2つを固定し、限界サインが2つ出たらシステムへの切り替えを検討してください。配車が1人の頭から仕組みに変われば、人が増えても減っても運行は止まりません。まずはテンプレートの貼り付けから。
参考文献・出典
- 帝国データバンク「倒産集計 2026年上半期報」(人手不足倒産227件・過去最多。参照日: 2026年7月30日)
- Web担当者Forum「2026年上半期の企業倒産、5,335件で4年連続増」(相互確認用。参照日: 2026年7月30日)
- 国土交通省近畿運輸局「トラック運転者の改善基準告示(2024年4月適用)解説資料」(参照日: 2026年7月30日)
- 労働政策研究・研修機構「改善基準告示改正の影響調査の紹介」(参照日: 2026年7月30日)
- トレンド調査: Googleトレンド急上昇RSS(運送関連の急上昇語は該当なし)およびGoogleサジェスト(配車・配車表・点呼・車両管理・運行管理・ドライバー不足・運賃の7語で実査。2026年7月30日実施)
執筆・運営: 合同会社GYAKUTEN(gyaku-ten.jp)|中小企業の逆転を支援
