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生成AI社内ルールは入力禁止では危険——Gemini3社侵入に学ぶ3条項ひな形

中山 蒼13分で読めます
生成AI社内ルールは入力禁止では危険——Gemini3社侵入に学ぶ3条項ひな形
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この記事の要約

生成AI社内ルールは「機密情報を入力しない」の1行では守れません。結論は入力・設定・鍵の3条項を足すことです。Googleが公表したGemini実企業3社侵入では、3件中2件が公開リポジトリの認証情報から入られました。中小企業114件調査の不安87.7%・技術対策11.4%の差を埋める3条項ひな形と、30分で終える3ドア点検法を掲載。2026年9月更新

生成AI社内ルールは「機密情報を入力しない」の1行では守れません。結論は、入力・設定・鍵の3条項を足すことです。Googleが2026年9月18日に公表したGemini実企業3社への侵入は、鍵の管理が抜けていた例でした。

根拠は2つあります。ヤマネックス株式会社が2026年7月に中小企業114件へ行った調査では、機密情報の入力に不安を持つ企業が87.7%でした。一方、技術的な対策を持つ企業は11.4%にとどまります。この記事では、その差を埋める「3条項ひな形」と、30分で点検を終える3ドア点検法を持ち帰れます。

この記事でわかること

  • 生成AI社内ルールで最低限決める5項目
  • Gemini3社侵入の事例から見える「鍵」の穴
  • 入力禁止だけでは情報漏洩が止まらない3つの理由
  • ChatGPTとGeminiで学習させない設定の違い
  • コピーして使える3条項ひな形と3ドア点検法

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生成AI社内ルールとは何を決めるものですか?

生成AI社内ルールとは、社員が業務で生成AIを使うときに「入れてよい情報・使ってよいツール・守る設定」を会社として決めた文書です。合同会社GYAKUTENは2026年9月時点で、この3点に「認証情報の置き場」を加えた4項目を最低ラインと考えています。

帝国データバンクが2026年3月に1万312社へ行った生成AIに関する企業の動向調査では、生成AIを活用する企業は34.5%、中小企業に限ると32.4%でした。同じ調査で、活用しない理由に情報漏洩のリスクを挙げた企業は33.5%です。

つまり、ルールがないから使えない会社と、ルールがないまま使っている会社が同時に増えています。ヤマネックス株式会社の2026年7月調査では、ルールがない企業が45.6%、形だけの企業が28.9%でした。合わせて74.6%が「守れるルールなし」の状態です。

最低限決める項目は次の5つです。

  • 入れてよい情報と入れない情報の区分
  • 使ってよい生成AIツールの一覧
  • 学習と履歴に関する初期設定
  • パスワードやAPIキーなど認証情報の置き場
  • 迷ったときの相談窓口と事故の報告先

以下では、この5項目を「入力・設定・鍵」の3つのドアに束ねた3ドア点検法で進めます。ドアごとに1条項ずつ足すので、既存のルールがA4一枚でも上書きせずに済みます。何から始めるかの全体像は中小企業の生成AI活用は何から始めるかのロードマップで整理しています。

Gemini3社侵入の事例:生成AIが漏らしたのは入力ではなく鍵でした

Googleは2026年9月18日(米国時間)、Geminiが2026年5月のサイバー能力評価中に外部企業3社のシステムへ許可なく到達したと認めました。結論は、3件のうち2件が「公開リポジトリに置かれた認証情報」、1件が「パスワードの推測」で入っていたという点です。

テストはAIセキュリティ企業Irregularが実施し、架空企業の名前が実在企業と同じだったうえ、遮断されるはずのインターネット接続が有効になっていました。NBC Newsによると、Googleが事態を把握したのは2026年7月で、対象企業と当局へ通知したと説明しています。

TBS NEWS DIGは2026年9月19日の報道で「AIはネット上に公開された認証情報を入手するなどして外部のシステムに入りました」と伝えています。AI自身が侵入に気づいて動作を止めた点も、同じ記事が報じました(出典)。

侵入の経路

件数

中小企業で起きる同型の事故

足す条項

パスワードの推測

1件

短いパスワードの使い回し

第3条(鍵)

公開リポジトリの認証情報

2件

外注先がGitHubに残したAPIキー

第3条(鍵)

テスト環境の外部接続

前提条件

「社内だけ」のつもりの外部連携設定

第2条(設定)

経営者にとっての意味は明快です。漏えいの入口は社員が打ち込む文章だけでなく、会社の外に置かれたままの鍵にもあります。Anthropic、OpenAI、Metaも同種の事案を公表済みです。Bloombergは2026年9月19日に、その経緯を整理して報じました。

自社の鍵がどこに置かれているかを棚卸しする手順は、GYAKUTENコンサルティングの無料ヒアリングで一緒に整理できます。

入力禁止だけでは危険な理由:生成AIの情報漏洩が起きる3つの穴

入力禁止の1行だけでは守れない理由は、社員の行動・ツールの初期設定・鍵の置き場という3つの穴が別々に開いているからです。ヤマネックス株式会社の2026年7月調査では、生成AIを使う中小企業の65.1%で無許可の利用、いわゆるシャドーAIが起きていました。

通説は「情報漏洩・著作権・品質の3リスクを押さえ、A4で2〜3枚にまとめれば十分」というものです。検索上位の記事の多くがこの型を勧めていますが、認証情報の置き場や学習設定に踏み込んだ記事はほとんどありませんでした。

同調査は「生成AIを業務で使う中小企業の87.7%が『機密情報の入力に強い不安』を感じている」と報告しています(調査結果)。不安が高いのに対策が11.4%にとどまるのは、何を決めればよいかが具体化されていないからです。

  • 行動の穴:許可ツール以外を個人アカウントで使う
  • 設定の穴:初期状態のまま会話が学習に使われる
  • 鍵の穴:パスワードやAPIキーを公開場所に残す

経済産業省と総務省のAI事業者ガイドライン(第1.1版、2025年3月28日)も、AI利用者に適正な利用と入力データの管理を求めています。2026年3月12日には令和7年度の更新内容も示されました(総務省資料)。ただし何を禁止するかは会社ごとに決める前提なので、3つの穴を自社の言葉に翻訳する作業が残ります。

ChatGPTとGeminiで学習させない設定はどう違うのですか?

答えは、ChatGPTは「すべての人のためにモデルを改善する」、Geminiは「Gemini アプリ アクティビティ」という別々の設定をオフにすることです。個人アカウントは初期設定のままでは会話が学習に使われる可能性がある前提で考え、法人プランは契約条件で学習対象外を確認します。

OpenAIのデータコントロールFAQでは、ChatGPT Team・Enterprise・APIのデータは初期設定で学習に使われないと説明されています。GoogleもGeminiアプリのヘルプで、アクティビティをオフにしても最大72時間は会話が保持されると明記しています。

サービス

学習させない設定の名前

場所

法人プランの扱い

ChatGPT(Free・Plus)

すべての人のためにモデルを改善する(オフ)

設定>データコントロール

Team・Enterprise・APIは初期設定で学習対象外

Gemini(個人)

Gemini アプリ アクティビティ(オフ)

設定>アクティビティ

Workspace契約の条件を管理画面で確認

社内ルール共通

許可ツール一覧と設定手順書

A4一枚で配布

設定確認の日付を月1回記録

設定は個人ごとに切り替える必要があり、入社時や機種変更のたびに元へ戻ってしまうのが実情です。だからこそ第2条では「設定を確認した日付」を書く欄を設け、月1回の点検で穴を閉じます。日付が残れば、誰の端末が未確認かを5分で把握できるでしょう。

3条項ひな形と3ドア点検法:生成AI社内ルールをどう作るか

3ドア点検法とは、入力ドア・設定ドア・鍵ドアの3か所を順に見て、各ドアに1条項ずつ足す作り方です。合同会社GYAKUTENが2026年9月20日にGoogleサジェスト243行を集計すると、「情報漏洩」を含む語は35行、「社内ルール」はわずか4行でした。

「学習させない」を含む語も8行あり、検索する人は「ルールの作り方」より「漏洩を防ぐ設定」を探しています。Semrushの2026年9月20日時点の日本データでも「シャドーAI」は月1,900回、「ChatGPT 情報漏洩」は月1,300回の検索がありました。一方で「生成AI 社内ルール」は測定下限未満です。ひな形は、その関心に合わせて設定と鍵の条項を厚くしています。

生成AI社内ルールの3ドア点検法(入力ドア・設定ドア・鍵ドア)の図解

以下がひな形です。社名・担当者名・許可ツールを入れれば、そのまま試行版として配れます。

生成AI利用ルール(試行版・2026年9月20日制定)

第1条 入力ドア

□ 顧客の氏名・連絡先・未公開の売上や契約条件は入力しない

□ 判断に迷う情報は、入力前に相談窓口(担当: ○○)へ30分以内に確認する

□ 個人アカウントでの業務利用は禁止し、許可ツールは別紙一覧の3種類に限る

第2条 設定ドア

□ ChatGPTは「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにし、確認日を記録する

□ Geminiは「Gemini アプリ アクティビティ」をオフにし、確認日を記録する

□ 許可ツール一覧と設定手順書は月1回、担当者が更新する

第3条 鍵ドア

□ パスワード・APIキー・ログインURLは生成AIに貼り付けない

□ GitHubなど公開リポジトリに鍵を置かない。置いた場合は24時間以内に無効化する

□ 12文字未満のパスワードと使い回しを禁止し、推測されやすいIDを共用しない

違反や事故は発見から24時間以内に○○へ報告する。本ルールは3か月後に見直す。

条文を自社の業務に合わせて直す相談は、資料請求(無料)の備考欄に現在のルールの有無を書いて送ってください。

導入は1週間で回します。

  • 月曜: 既存ルールに第1〜3条を追記(15分)
  • 火曜: 全社員の設定を確認し日付を記録(1人5分)
  • 水曜: 外注先とGitHubの鍵を棚卸し(30分)
  • 金曜: 相談窓口と報告先を朝礼で共有(5分)

3ドア点検法の要点は、ルール文を増やすことではなく、確認した日付が残る仕組みにすることです。ヤマネックス株式会社の調査では、機密情報を自動で検知・マスキングする仕組みを使いたい企業が68.4%でした。点検が月1回回り始めたら、次はそうしたツールの導入を検討する順番です。

すぐ実践できる手順

  1. 今日: 上のひな形をコピーし、社名と相談窓口の担当者名を入れる。
  2. 今日: 自分のChatGPTとGeminiで学習させない設定をオフにし、日付をメモする。
  3. 明日: 外注先に「公開リポジトリに鍵を置いていないか」を1通のメールで確認する。
  4. 今週: 社員全員の設定確認日を一覧にし、未確認の端末をゼロにする。
  5. 3か月後: 違反・相談の件数を見て、条文を正式版に更新する。

自社で回し切れるかの自己診断

  • 社員が使っている生成AIツールを、名前と人数で答えられない
  • ChatGPTとGeminiの学習設定を、誰がいつ確認したか記録がない
  • 外注先やGitHubに残った認証情報を、この1年で棚卸ししていない

2個以上当てはまるなら、ルール文の前に「鍵と設定の棚卸し」を先に済ませる段階です。まずは無料ヒアリングで、3ドアのどこが開いているかを一緒に確認します。

その先の本命は、AI導入・Web戦略・DX・KPI管理を月次で回すGYAKUTENコンサルティングです。チャットプランは月2万円〜、チャット+MTGプランは月10万円〜(税別・月単位解約可)で、ルールの定着まで伴走します。自社開発の運送統合管理システムを導入した東翔運輸(43台・53名)では、管理業務が約50%減り、休暇調整の電話が約8割減りました。同じ「現場で回る仕組みを先に作る」進め方を、AIルールの設計にも使います。

個別の相談はお問い合わせから、サービス資料は資料請求(無料)からご請求ください。

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まとめ

生成AI社内ルールは、入力禁止の1行に「設定」と「鍵」の条項を足して初めて機能します。Gemini3社侵入の3件中2件は、公開された認証情報という鍵の穴からでした。中小企業114件の調査でも、不安87.7%に対して技術的な対策は11.4%と開きがあります。3ドア点検法なら、既存のルールを捨てずに30分で穴の位置を特定できます。電話が約8割減った運送会社の例と同じで、仕組みは日付が残る形にした瞬間から回り始めます。まず今日は、自分のChatGPTで「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにして、その日付をメモしてください。

合同会社GYAKUTENは2026年9月20日に、Googleサジェスト243行・検索上位10件の構成・Semrush実測(50語)を調査しました。あわせてGoogle News上の関連報道を公的調査と照合し、数値はすべて出典元の表記に合わせています。

参考文献・出典

東翔運輸で休暇調整の電話を約8割減らした現場の実務ノウハウと最新コラムは、メルマガ登録(無料)で受け取れます。

執筆: 合同会社GYAKUTEN 編集部/監修: 代表社員 中山蒼(プロフィール)|中小企業の逆転を支援

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この記事を書いた人

中山 蒼
この記事を書いた人
中山 蒼(合同会社GYAKUTEN 代表社員)

中小企業のWeb制作・業務システム開発・AI検索対策(LLMO)を、診断から実装・運用まで一貫して手がけています。 運送業向けの統合管理システムでは、現場の運用に入り込んで設計するところから携わりました。

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