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運送業の熱中症対策、グッズだけでは義務化違反に?点呼で回す報告体制のつくり方

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この記事の要約

運送業の熱中症対策は2025年6月から罰則付きで義務化。グッズより先に「報告体制の整備」が必須です。厚生労働省の確定値では2024年の運送業の熱中症死傷者は186人・死亡6人。本記事は対象条件(WBGT28度・気温31度)と罰則から、点呼に30秒足すだけの「点呼30秒アドオン」で体制を毎日回す方法、コピペで使える社内周知文テンプレートまで解説します。

2025年6月1日、改正労働安全衛生規則の施行により、運送業の熱中症対策は罰則付きの義務になりました。2026年7月時点で施行2年目の夏を迎え、猛暑日が続くいまが対応の正念場です。

結論から言うと、水分補給やグッズの配布だけでは義務を満たせません。規則が求めているのは「異変を報告できる体制」と「悪化を防ぐ手順」、そしてその周知の3点です。

この記事では、厚生労働省の統計と規則の中身を根拠に、点呼と勤務管理に組み込んで毎日回る報告体制のつくり方を解説します。コピペで使える社内周知文のテンプレート付きです。

この記事でわかること

  • 熱中症対策義務化の対象条件(WBGT28度・気温31度)と罰則の中身
  • 2024年の運送業の熱中症死傷者186人という実態と、リスクが高い理由
  • グッズ配布だけでは義務違反を問われかねない理由
  • 「点呼30秒アドオン」で報告体制を毎日回す方法と、周知文テンプレート

運送業の熱中症対策義務化とは?何をすれば違反にならないのか

義務化対応の柱は「報告体制の整備」「悪化防止手順の作成」「関係者への周知」の3点です。飲料やグッズの購入は補助にすぎず、体制と手順を文書にして全員へ周知しなければ義務を満たせません。

熱中症対策の義務化とは、2025年6月1日施行の改正労働安全衛生規則が、対象作業を行うすべての事業者に報告体制・悪化防止手順・周知を罰則付きで課した制度である。トラック1台の会社も例外ではありません。

対象や罰則の枠組みは、厚生労働省の施行案内で公表されています。要点は次の表のとおりです。

項目

内容

施行日

2025年6月1日(改正労働安全衛生規則)

対象作業

WBGT(暑さ指数)28度以上または気温31度以上で、連続1時間以上または1日4時間超が見込まれる作業

義務の内容

①異変を報告する体制の整備 ②重症化を防ぐ手順の作成 ③関係作業者への周知

罰則

6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の可能性

真夏の荷待ちや荷役、冷房が効きにくい車内での作業は、この条件にほぼ確実に届きます。「うちは運転が中心だから関係ない」という思い込みこそ、いちばん危険な入口です。自社のどの作業が対象になるのか、まず洗い出してみませんか?

トラックドライバーの熱中症リスク|運送業の死傷者は186人

厚生労働省の確定値によると、2024年の職場の熱中症による死傷者は1,257人で過去最多でした(令和6年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」)。うち運送業は186人で全体の15.6%を占め、死亡者も6人にのぼります。全体では前年より151人(約14%)増え、死亡者は31人でした。

業種別の死傷者は製造業227人、建設業216人に次いで運送業が3番目。警備業136人が続きます。運転席に座る仕事は安全に見えて、統計上は明確な高リスク業種です。

しかも全産業の死傷者の約8割は、7月・8月の2ヶ月に集中しています。まさに今が1年でもっとも危険な時期。ドライバーの命と車両の稼働を、同時に守る仕組みが必要です。

運送の現場でリスクが高い理由は、大きく3つあります。

  • 荷待ち・荷役が炎天下で行われ、アスファルトの照り返しで体感温度がさらに上がる
  • 運転中は1人のため、異変が起きても周囲が気づけない
  • 現場が各地に分散し、管理者の目が届きにくい

陸上貨物運送事業労働災害防止協会も、陸運業の熱中症による死亡災害が令和5年の1人から令和6年は6人へ急増したと警戒を呼びかけています(陸災防リーフレット)。1人で運転するドライバーの見守りをどう設計するか。ここが運送業の熱中症対策の核心です。

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水分補給とグッズ配布だけでは、義務化対応になりません

検索上位の解説の多くは、水分・塩分補給や冷感グッズ、遮熱フィルムといった暑さ対策の紹介が中心です。もちろん、どれも現場では有効な手立てです。

ただし、規則が罰則付きで義務付けたのは物品の購入ではありません。「誰が異変に気づき、誰に報告し、誰が搬送を判断するか」を決めて文書化し、周知することです(厚生労働省「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」)。冷感ベストを全員に配っても、報告のルールがなければ義務を果たしたことにはなりません。

放置した場合の損失も冷静に見ておきましょう。例えば1日の運賃売上が平均6万円の車両が、ドライバーの熱中症による休業4日で止まると、6万円×4日=24万円の売上が消えます。傭車で穴を埋めれば、その分の手配コストがさらに上乗せ。一方で、冷感ベスト1着3,000円を10人へ配ると、3,000円×10人=3万円の出費です。それでも報告体制がなければ、義務の中心はまだ空白のまま。点呼への組み込みと周知なら、追加費用はほぼゼロで済みます。

グッズは「体制の上に載せる道具」。順番を逆にしないことが、罰則と労災の両方を遠ざける近道です。

点呼30秒アドオン|点呼と勤務管理に報告体制を組み込む

体制づくりといっても、新しい会議や分厚いマニュアルは要りません。おすすめは、毎日必ず全員が通る点呼に30秒だけ確認を足す「点呼30秒アドオン」方式です。

  1. 乗務前点呼: 「睡眠時間」「朝の食事と水分」「体調の異変」の3問を口頭で確認し、点呼記録にチェック欄を追加する
  2. 配車前: 熱中症警戒アラートとWBGTを確認し、基準を超える日は休憩指示を運行指示書に書き込む
  3. 運行中: 高温日は2時間おきの連絡を標準にし、「異変を感じたら車を停めて連絡する」を全員のルールにする
  4. 乗務後: 帰庫点呼で体調を再確認し、翌日の勤務・休暇調整に反映する

この回し方は、勤務・休暇・出庫時間の管理と一体で運用すると確実になります。合同会社GYAKUTENは、東翔運輸株式会社(車両43台・ドライバー53名)で運送統合管理システムを実証しました。車両・ドライバー・勤務・出庫時間・通知を一元管理する仕組みです。導入後は管理業務が約50%減り、点呼時の確認も休暇調整も1画面。体制は「つくる」より「毎日回す」ほうが難しいからこそ、日常業務に溶け込ませる設計が効きます。開発の経緯は東翔運輸株式会社様の統合管理システム開発事例でも紹介しています。

車両側の暑さ対策と点検も、夏は負荷が上がります。点検管理をエクセルで回している会社は、車両管理のエクセルが限界になる5つのサインもあわせてご確認ください。

仕上げは周知です。そのまま使える社内周知文のテンプレートを用意しました。【】を自社の内容に置き換えて、事務所掲示と全ドライバーへの配布に使ってください。

【株式会社◯◯運送】熱中症対応ルール(2026年夏版)
1. 対象日: 熱中症警戒アラートの発表日、またはWBGT28度以上・気温31度以上が見込まれる日
2. 体調に異変を感じたら、我慢せず直ちに安全な場所へ停車し、【運行管理者◯◯・電話番号】へ連絡する。
3. 同僚の異変に気づいた人も、同じ連絡先へ即報告する。報告による不利益は一切ない。
4. 連絡を受けた管理者は【対応手順書の保管場所】の手順に従い、水分補給・冷却・救急要請を判断する。
5. 意識がない・呼びかけに反応しない場合は、ためらわず119番へ通報し、その後【社長◯◯】へ報告する。
制定日:【2026年◯月◯日】 制定者:【会社名・代表者名】

すぐ実践できる手順

  1. 今日: 上の周知文テンプレートを自社名で埋め、事務所に掲示する
  2. 今日: 点呼記録簿に「睡眠・水分・体調」のチェック欄を3列追加する
  3. 今週: 全ドライバーへ周知文を配布し、点呼で読み合わせを1回行う
  4. 今週: 熱中症警戒アラートの通知を管理者のスマートフォンに設定する
  5. 今週: 高温日に使える冷房付きの待機・休憩場所を、荷主と1社ずつ確認する
  6. 今月: 救急対応の手順(冷却・搬送・連絡網)をA4用紙1枚にまとめ、保管場所を周知する
  7. 今月: 勤務表で連続勤務の上限を決め、疲労がたまる配車をやめる

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まとめ

最後に、自社の現在地を3つだけ確認してみてください。

  • 異変を「誰に・どう報告するか」が文書になり、全ドライバーに周知されていますか?
  • 点呼で体調・睡眠・水分を毎日確認し、記録に残していますか?
  • 高温日の休憩・連絡・搬送判断の手順を、管理者全員が即答できますか?

1つでも「いいえ」があれば、今日の周知文テンプレートから始めるのが最短です。そのうえで、体制を毎日回し続ける仕掛けとして、点呼・勤務・車両の情報を1つの画面にまとめる価値は大きいはずです。

合同会社GYAKUTENの運送統合管理システムは、初期費用0円・月額3万円〜(20台まで・税込、21〜40台は3.5万円)で使えます。車両・ドライバー・休暇/勤務・出庫時間・通知・稼働の6機能を一元管理し、東翔運輸株式会社での実証では管理業務が約50%減、休暇調整の電話も約8割減りました。最短3日で導入でき、研修は30分。60代の管理者の方も即日で使いこなしています。

猛暑はこれからが本番です。まずはお問い合わせで現状をご相談ください。資料請求(無料)だけでも、点呼・勤務管理の整理の参考になるはずです。

参考文献・出典

  • 厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について(令和7年6月1日施行)」 https://jsite.mhlw.go.jp/toyama-roudoukyoku/news_topics/oshirase/0706nechushokyoka.html (参照日: 2026年7月20日)
  • 厚生労働省 令和6年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58389.html (参照日: 2026年7月20日)
  • 陸上貨物運送事業労働災害防止協会「STOP・熱中症! 熱中症対策が義務化されます」 https://rikusai.or.jp/wp-content/uploads/pdfs/heatstroke_measures_leaflet.pdf (参照日: 2026年7月20日)
  • 全日本トラック協会「熱中症対策について」 https://jta.or.jp/member/rodo/heatillness.html (参照日: 2026年7月20日)
  • 調査メモ: Googleトレンド急上昇RSS・オートコンプリート(運送/物流/トラック/ドライバー/配車/車両管理/運行管理/運賃の8語)・Google News RSSは当日のネットワーク制限により取得できず、WebSearchによるSERP実査と公的統計の相互確認で代替しました(2026年7月20日実施)。

執筆・運営: 合同会社GYAKUTEN(gyaku-ten.jp)|中小企業の逆転を支援

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