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予実管理のエクセルは科目10行、差異10%超だけ理由を書く

中山 蒼約9分で読めます
予実管理のエクセルは科目10行、差異10%超だけ理由を書く
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この記事の要約

予実管理をエクセルで続けるなら、科目は10行以内、差異率が±10%を超えた行だけ理由と次の手を書く形にすると、毎月の会議で使える表になります。6列の表の作り方と差異率の関数、表計算の複雑化で専用システムへ移った事例、乗り換えの目安3つ、会議前の点検チェックリスト7項目を紹介します。2026年10月更新。

予実管理をエクセルで回すときの答えは、科目を10行以内に絞り、予算との差が10%を超えた行だけ理由と次の手を書く1枚の表にすることです。関数や色分けを増やすより先に、毎月15分で見終わる形を決めます。

2026年10月時点では、商業施設の開発を手がける東神開発株式会社が専用の経営管理システムへ移ると発表しました。理由の1つは、表計算ソフトでの予実管理の複雑化です。合同会社GYAKUTENは自社サイトの数字を毎月見直すなかで、見る数字を選び間違えると表がいくら整っていても判断を誤ることを経験しています。本記事では、この1枚表の運用を「差異10%ルール」と呼びます。

この記事の要点

  • 予実管理表をエクセルで作るときの科目と列の決め方
  • 差異率を出す関数と、差異10%ルールで理由を書く行の選び方
  • エクセルのまま続けるか、システムへ移るかの目安
  • 毎月の会議前に使える7項目の点検チェックリスト

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予実管理とは?エクセルで最初に決める数字は何か

予実管理とは、期の初めに立てた予算と毎月の実績を並べ、差が出た理由と次の手を決める仕組みです。2025年版中小企業白書では、経営計画を策定している企業の売上高増加率は7.7%で、策定していない企業の5.7%を上回りました(ニュースイッチ 2025-06-27)。

計画を立てるだけでは差は縮まらず、毎月の実績と比べて手を打つところまでが予実管理の役目です。エクセルで表を作る前に、次の3つの数字だけは先に決めておきましょう。

  • 見る科目の数(売上・粗利・人件費など10行まで)
  • 差異の許容幅(予算比±10%)
  • 確認する日(締めから5営業日以内)

3つが決まらないまま表を作ると、科目や列は際限なく増えていきます。科目を絞る考え方は、中小企業のデータ活用を1判断1指標から始める方法とも共通しています。

予算は、前年同月の実績に今期の打ち手で見込む増減を足して、月別に置きます。年間の数字を12で割るだけだと、季節で売上が動く業種では毎月のように差が出て、赤い行が意味を失います。前年の実績が無い科目は、直近3か月の平均を仮の予算にして、半年後に見直す形でも構いません。

予実管理のエクセル表の作り方:科目10行と差異率の関数

予実管理表の列の目安は、科目・予算・実績・差異・差異率・理由と次の手の6列です。売上の予算が1,200万円で実績が1,080万円なら、予算1,200万円 × 0.9 = 1,080万円なので差異率はマイナス10%です。この行は理由を書く対象に入ります。

科目

予算

実績

差異

差異率

理由と次の手

売上

1,200万円

1,080万円

−120万円

−10.0%

新規2件の失注。11月は既存顧客へ追加提案

粗利

360万円

335万円

−25万円

−6.9%

(10%以内のため記入なし)

人件費

300万円

312万円

+12万円

+4.0%

(10%以内のため記入なし)

広告費

30万円

36万円

+6万円

+20.0%

展示会の追加出展。12月は出展を見送る

差異率のセルには「=(C2-B2)/B2」と入れてパーセント表示にし、条件付き書式で±10%を超えたときだけ赤く表示させます。理由と次の手の列は、赤くなった行だけを埋めれば足ります。差異10%ルールの狙いは、全部の行を説明する会議から、赤い行の次の手を決める会議へ変えることにあります。

差異の向きにも注意が必要です。売上と粗利はマイナスに振れたとき、人件費や広告費などの費用はプラスに振れたときが要注意のサイン。表の中で同じ赤でも意味が逆になるため、費用の行は差異率の符号を反転させて表示すると、会議で読み違えにくくなります。

会議前に使う予実表の点検チェックリスト

□ 科目は10行以内に収まっている

□ 予算は月別に12か月分入っている

□ 実績は締めから5営業日以内に入力した

□ 差異率±10%を超えた行が赤く表示される

□ 赤い行のすべてに理由と次の手が1行ずつある

□ 前月に書いた次の手を実行したか1列で確認できる

□ 入力する人は1人、確認する人は1人に決まっている

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エクセルの予実表は精緻にするほど逆効果になる

予実表が回らなくなる理由は、科目・シート・関数を足し続けて、作った人しか直せない表になることです。2026年10月7日、ディグル株式会社は東神開発株式会社が経営管理システム「Diggle」を同月から本格導入すると発表しました。管理物件の増加で表計算ソフトの予実管理が複雑化し、関数の破損による不整合や入力ミスが課題だったとされています(Biz/Zine)。

大きな会社で起きることは、担当者が1〜2人の中小企業ではもっと早く起きます。精緻さを足すより、次の3つを減らすほうが表は長持ちするでしょう。

  • 科目の細分化(勘定科目をそのまま並べない)
  • シート間の参照(1ブック1シートに寄せる)
  • 手入力の転記(会計ソフトの出力を貼るだけにする)

経営判断に使う表は、判断に必要な行だけあれば機能します。どの判断にどの数字を使うか迷ったときは、意思決定フレームワークの使い分け表も参考になります。

運用のルールも表と同じくらい大切です。ファイルは共有フォルダに1つだけ置き、毎月の締め後にファイル名へ年月を入れたコピーを残します。予算の数字を書き換えるのは期首と見直し月の年2回に限り、それ以外の月は実績の列だけを触るようにすると、関数の破損や上書きの事故はかなり減らせます。

科目の絞り方に迷う場合は、今の予実表を送って絞り方を相談することもできます。

エクセルと予実管理システムの違いは?乗り換えの目安はどこか

エクセルから予実管理システムへ乗り換える目安は、表の容量ではなく、触る人数と部門の数です。Microsoftの公式仕様では、Excelの1シートは1,048,576行×16,384列まで扱えるため、中小企業の予実表で容量が足りなくなることはまずありません(Microsoft サポート)。

詰まりやすいのは、同時に書き込む人が増えたときと、部門ごとにファイルが分かれたときです。次のどれかに当てはまるかを確かめてください。

  • 予実表に入力する人が3人以上いる
  • 部門や拠点が3つ以上あり、シートが分かれている
  • 締めから会議まで、集計だけで3日以上かかる

どれにも当てはまらないなら、エクセルのまま差異10%ルールで回すほうが費用はかかりません。当てはまる場合も、高価なシステムを選ぶ前に3か月だけ今の表を絞って運用し、それでも詰まる工程を見てから選ぶと失敗が減ります。費用に上限をつける考え方は、AI導入の費用に上限をつける3ヶ月撤退ルールと同じです。

システムを比べる段階では、月額だけで決めないことが重要です。会計ソフトから実績を自動で取り込めるか、部門ごとに入力画面を分けられるか、過去の予算の版を残せるか。この3点を確かめずに選ぶと、エクセルの転記作業がシステムの上でそのまま続くことになります。

予実管理の実績にはどの数字を入れるべきか

実績の列に入れる数字の基準は、売上や問い合わせ数のように結果に近く、毎月同じ条件で取れることです。合同会社GYAKUTENの自社サイトは、2025年9月20日からの1年間にGoogle検索で2,417クリック・100,924表示を得ました。そのうち季節の例文記事1本が、年間クリックの32%を占めています。

同じ期間には、検索順位が4.5位なのにクリックが0件の語もありました。順位を実績の列に置いていたら「予算どおり」に見えたはずで、問い合わせにつながる数字とは別の動きをしていたことになります。

中小企業の予実表で実績に置く数字は、結果へ近い順に選びます。

  • 売上・粗利(会計ソフトの月次)
  • 受注件数・問い合わせ数(顧客管理の記録)
  • 来店数・訪問数(途中の指標は1行だけ)

途中の指標を置くときは、結果の数字と同じ行に並べず、補助の1行にとどめると判断を誤りにくくなります。実績の数字をどこから、いつ取り出したかを表の欄外に1行で書いておくと、担当者が替わっても同じ条件で比べられます。では、来月の会議までに何から手を付ければよいでしょうか。

今日からの進め方

来月の会議までに、次の5つを順に進めてください。

  1. 会計ソフトから先月の売上・粗利・主要経費を出力する
  2. 科目を10行以内に絞り、6列の表に貼る
  3. 差異率の列に関数と条件付き書式を入れる
  4. 赤くなった行だけ、理由と次の手を1行ずつ書く
  5. 翌月の会議の冒頭で、前月の次の手を実行したか確かめる

まとめと次の一手

予実管理をエクセルで続けるなら、表を精緻にするより、見る行を減らして赤い行の次の手を決めることが近道です。差異10%ルールで科目を10行に絞れば、システムを入れる前でも毎月の判断は速くなります。

最後に、自社の状況を3つの項目で確かめてみてください。

  • 予実表の科目が10行を超えている
  • 差異が出た行に理由と次の手が書かれていない
  • 実績の列に順位や閲覧数など途中の数字が並んでいる

2個当てはまるなら、表を作り直す前に第三者と一緒に見る段階です。まずは無料ヒアリングで、今の予実表を見ながら絞る科目を一緒に決められます。

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明日の朝は、会計ソフトから先月の売上と粗利を出力し、予算と並べて差異率を1行だけ計算してみてください。

参考文献・出典

制作: 合同会社GYAKUTEN編集部(生成AIで下書きを作成し、出典を確認して公開)/会社・代表プロフィール

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この記事を書いた人

中山 蒼
この記事を書いた人
中山 蒼(合同会社GYAKUTEN 代表社員)

中小企業のWeb制作・業務システム開発・AI検索対策(LLMO)を、診断から実装・運用まで一貫して手がけています。 運送業向けの統合管理システムでは、現場の運用に入り込んで設計するところから携わりました。

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