「Google AIモードって、うちの会社にも関係あるの?」——2026年に入り、こうしたご相談が増えています。Google検索のAIモードやChatGPTで調べものを済ませる人が急増し、「検索したのに自社サイトには来てもらえない」という現象が、現実のものになってきたからです。
この記事では、専門ツールやお金をかけずに、自社がAI検索でどう見えているかを今日その場で確かめる方法を、手順つきで紹介します。
読み終えるころには、「まず何を確認し、どこから直せばよいか」がはっきりするはずです。
この記事でわかること
- なぜ今「AI検索での見え方」が中小企業の経営課題になっているのか
- 自社のAI検索での見え方を、無料で確かめる5つの手順
- 「AIに出てこない」とわかったときに、まず手をつけるべき改善ポイント
- セルフ診断でやりがちな誤解と、結果の正しい読み方
結論:AIに「見つけてもらえているか」は、今日から自分で確かめられる
先に結論をお伝えします。自社がAI検索で参照されているかどうかは、ChatGPTやGoogleのAIモードに実際に質問してみるだけで、おおまかに把握できます。高価なツールは必要ありません。
大切なのは、「自社名で聞く」だけでなく、お客様がするであろう指名なしの質問でも試し、競合と見比べることです。お客様の多くは、あなたの社名を知らない状態で探し始めるからです。
そのうえで、もし出てこなくても慌てる必要はありません。AIに引用されやすいページには共通の特徴があり、中小企業でも今日から手を打てます。まずは現状を「見える化」することから始めましょう。
なぜ今「AI検索での見え方」が経営課題なのか
Google AIモードが日本語対応し、AI検索が日常になった
2025年9月9日、GoogleはAI検索体験「AIモード」の日本語提供を開始しました。AIモードはGemini 2.5のカスタム版を使い、「クエリ ファンアウト」と呼ばれる技術で1つの質問を複数の小さな検索に分解し、まとめて答えを生成します。従来なら何度も検索し直していた複雑な質問を、一度のやりとりで済ませられるのが特徴です。
Googleによると、AIモードの利用は世界的に急拡大しています。さらにChatGPTやPerplexityなど、検索の代わりにAIへ直接たずねる人も増えました。実際、Googleトレンドで「AI検索」を調べると、関連の急上昇ワードは「グーグル AIモード」「AIモードにするには」「AIモード 使い方」が上位を占めており、世の中の関心が一気に高まっていることがわかります。
「検索しても自社に来ない」が数字に表れ始めた
AIが検索結果の上部で答えをまとめてしまうと、ユーザーはわざわざ各サイトを開かなくなります。これが「ゼロクリック」と呼ばれる現象です。
SEOツールのAhrefsが2025年12月に公表した調査では、Googleの「AIによる概要(AI Overviews)」が表示されると、検索1位ページのオーガニッククリック率がグローバルで約58%、日本でも約38%低下したと報告されています。
つまり、検索順位で1位を取っていても、AIの回答に自社の情報が反映されていなければ、これまで得られていた問い合わせや来店のきっかけを失いかねないということです。「順位」だけでなく「AIにどう引用されるか」が、新しい勝負どころになっています。
そもそも「LLMO」とは?3行で整理
LLMO(Large Language Model Optimization)とは、ChatGPTやGoogle AIモードのような大規模言語モデルに、自社の情報を正しく理解・引用してもらうための最適化のことです。
検索エンジン向けのSEOが「検索順位を上げる」取り組みだとすれば、LLMOは「AIの回答の中で名前を挙げてもらう」取り組みだと考えるとわかりやすいでしょう。両者は対立するものではなく、土台となる良質な情報発信は共通しています。
【実践】自社のAI検索“見え方”を今日セルフ診断する5ステップ
ここからは、誰でもすぐできる確認手順です。ChatGPTとGoogle AIモード(またはAIによる概要)を開き、メモを片手に順に試してみてください。所要時間は15〜20分ほどです。
ステップ1|「会社名・サービス名」で聞いてみる
まずは指名検索です。「株式会社○○とはどんな会社ですか」「○○(自社サービス名)の特徴を教えて」とAIに質問します。社名や事業内容、強みが正しく説明されるか、古い情報や誤りが混じっていないかを確認します。ここで事実と違う説明が出る場合、AIが参照している情報が不足している、または古いというサインです。
ステップ2|「業種+地域+悩み」で第三者目線の質問をする
本当に大切なのはここです。見込み客は社名を知らずに探します。「東京で○○に強い会社を教えて」「△△で困ったときに相談できる業者は?」のように、指名なしでたずね、回答の中に自社が登場するかを見ます。登場しなければ、見込み客との最初の接点を、AIの段階で逃している可能性があります。
ステップ3|回答の「出典・参照リンク」に自社があるか確認する
AIの回答には、参考にしたサイトへのリンクが添えられることがあります。その出典一覧に自社サイトが含まれているかを確認しましょう。本文で触れられていなくても出典に載っていれば、AIが自社を「情報源」として認識し始めている証拠です。逆に競合だけが並ぶ場合は、引用される情報の厚みで差がついています。
ステップ4|競合がどう紹介されているか見比べる
同じ質問に対し、競合がどんな言葉で紹介されているかを書き出します。「実績豊富」「○○専門」「料金が明確」など、AIが競合に付ける説明は、世の中の情報がそう語っているということです。自社にも本来あてはまる強みなら、その根拠がウェブ上に十分書かれていない可能性を疑いましょう。
ステップ5|Google AIモード/AIによる概要での表示を確かめる
最後に、Google検索でも確認します。検索結果上部の「AIによる概要」や、結果ページの「AIモード」タブで同じ質問を試し、自社サイトがリンクとして拾われるかを見ます。スマートフォンとパソコン、ログイン状態でも結果が変わるため、複数の環境で試すと実態に近づきます。
5ステップの判定の目安は次のとおりです。
- 良好:指名なしの質問でも自社が登場し、説明も正確。出典にも自社サイトがある。
- 要改善:社名で聞けば出るが、指名なしでは競合ばかり。出典に自社が入らない。
- 要注意:社名で聞いても説明が誤っている、または情報がほとんど出てこない。
「出てこない」ときに、まず手をつける4つの改善ポイント
①一次情報と実体験を厚くする
AIは、どこにでも書いてある一般論より、その会社だけが語れる具体情報を引用しやすい傾向があります。施工事例、導入実績、料金の考え方、よくある失敗とその回避策など、現場の一次情報をページに増やしましょう。数字・固有名詞・日付が入った具体的な記述ほど、AIにとって価値の高い情報源になります。
②質問に「結論から」答える構成にする
AIは、問いに対して端的に答えている文章を好みます。各ページの見出しを「○○とは」「○○の費用は」「○○の選び方」といった想定質問の形にし、その直後に結論を1〜2文で置く構成が有効です。記事末のFAQ(質問と回答の形式)も、AIが引用しやすい代表的なパーツです。
③会社情報と構造化データを整える
会社名・所在地・事業内容・連絡先などの基本情報が、サイト内で一貫して正確に書かれているかを点検します。あわせて、構造化データ(schema)で事業者情報やFAQを機械に伝わる形で記述すると、AIが情報を誤りなく拾いやすくなります。専門的に見えますが、対応しているCMSやテンプレートも多く、難しすぎる作業ではありません。
④第三者からの言及と指名検索を増やす
自社サイトだけでなく、信頼できる第三者メディアやポータル、SNS、口コミで自社が語られていることも、AIの判断材料になります。プレスリリースや取材記事、お客様の声などを通じて「世の中で言及される量」を地道に増やすことが、結果的にAI検索での見え方を底上げします。
セルフ診断でやりがちな誤解と注意点
最後に、結果を読み違えないための注意点です。AIの回答は毎回まったく同じではなく、同じ質問でも表現や引用先が揺らぎます。1回の結果だけで「ダメだ」と判断しないことが大切です。日や環境を変えて数回試し、傾向としてどうかを見ましょう。
また、AIの回答が常に正しいわけではありません。事実と違う説明が出たときは、自社の公式情報をわかりやすく整えることが最善の対策です。AIに媚びるのではなく、人にとってわかりやすい情報発信を続けることが、そのままLLMOにつながります。
ポイント:AI検索対策の本質は「小手先のテクニック」ではなく、お客様の疑問に正面から、具体的に答えること。人に伝わる情報は、AIにも伝わります。
まとめ:まず「見える化」、次に「中身の改善」
AI検索の時代に大切なのは、順位を追うことよりも、AIの回答の中で正しく引用されることです。そのためには、まず本記事の5ステップで自社の現在地を確かめ、足りない一次情報や構成を一つずつ整えていくのが近道です。完璧を目指すより、今日できる一歩から始めましょう。
「自社で診断してみたが、何から直せばよいか優先順位がつかない」という場合は、合同会社GYAKUTENのLLMO診断が役立ちます。AIにどう見えているかを客観的に可視化し、改善の優先順位を整理します。サイトの作りそのものから見直したい場合はLLMOウェブ制作もご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください(お問い合わせ:info@gyaku-ten.jp / HP:https://gyaku-ten.jp / 公式X:@gyakuten55)。すべての逆境に、最高の逆転劇を。
よくある質問(FAQ)
Q1. LLMO対策は、これまでのSEOとは別物として取り組む必要がありますか?
A. まったくの別物ではありません。良質で具体的な情報を、わかりやすく構造立てて発信するという土台は共通です。そのうえで、結論を先に書く・FAQを設ける・会社情報を正確に整えるなど、AIに引用されやすい工夫を足していくイメージです。
Q2. ChatGPTで自社が出てきません。すぐにできる最初の一手は何ですか?
A. まずは自社サイトに、自社だけが語れる一次情報(実績・事例・料金の考え方・よくある質問)を増やすことです。一般論より具体情報のほうがAIに引用されやすいため、現場の言葉で詳しく書くだけでも変化が期待できます。
Q3. AIモードやAIによる概要に表示されると、サイトへのアクセスは減りませんか?
A. AIが答えをまとめることでクリックが減る傾向は確かにあります。だからこそ、AIの回答内で社名を挙げてもらい「指名で選ばれる」状態をつくることが重要です。比較・検討段階でAIに名前が出れば、その後の指名検索や問い合わせにつながります。
Q4. 診断はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
A. 大きなサイト改修やサービス変更のタイミングに加え、月に1回ほど定点観測すると変化に気づきやすくなります。AIの回答は揺らぐため、同じ質問を複数回試して傾向で判断してください。
Q5. 専門ツールがなくても診断できますか?
A. はい。本記事の5ステップはChatGPTとGoogle検索だけで実施できます。より精密に競合との差や改善の優先順位を知りたい場合に、専門的な診断を検討するとよいでしょう。
参考文献・出典
※本記事は、Googleトレンド(日本)の急上昇トピック(全体トレンド)と「AI検索」関連キーワードの傾向を参照し、関心が高まっている切り口をもとに構成しました。全体トレンドの確認に加え、「AI検索」の関連・急上昇クエリ(「グーグル AIモード」「AIモードにするには」「AIモード 使い方」など)を参照しています。統計・数値は以下の公開情報で確認しています(いずれも2026年6月24日参照)。
- Google Japan Blog「Google 検索における『AI モード』を日本語で提供開始」(2025年9月9日):https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/ai-mode-search/
- Google Japan Blog「AI 検索の新時代(Google I/O 2026)」:https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/search-io-2026/
- Ahrefs(PR TIMES)「AIによる概要のゼロクリック影響、日本でも約38%のオーガニッククリック減少を確認。グローバルでは58%減」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000157671.html
- Ahrefs Blog(日本語)「AI による概要が表示されることで、ページへのアクセス数が58%減少」:https://ahrefs.com/blog/ja/ai-overviews-reduce-clicks-update/
- Googleトレンド(日本)「AI検索」関連クエリ:https://trends.google.com/trends/explore?geo=JP&q=AI検索
